こんにちは。今回は帰納法と不等式の問題をやってみます。例題を見ながらいきましょう。
【例】すべての自然数に対して,
が成り立つことを数学的帰納法を用いて証明せよ。
【解法】のとき,
より, で成り立つ。
のとき, 与式の不等式が成り立つと仮定すると,
のとき,
として, 左辺を右辺に移項すると,
となり, において,
が成り立つ。したがって, すべての自然数に対して, 題意は成り立つ。
【ここでのコツ】の下線部は題意の不等式からで置き換えられるのですが, 下線部よりの方が大きいので, 次の行の左側にが付いています。下線部より大きな値を引いても0より大きい事が言えるので, すべての自然数に対して成り立つ事が言える。
帰納法と不等式
のときの不等式で, 小さい方を大きい方に移行して, 移行したものの一部を元の不等式の大きい方で置き換えて, 大小比較を行う。
次の解法もありだと思うのだが, どうなんだろう。
【解法】上の解法と違うところから書いておきます。
のとき, 両辺にを加えると,
このとき, 右辺との大小を比較すると,
よって,
このことからのときも成り立つ。
したがって, すべての自然数に対して題意の不等式は成り立つ。
【ここでのコツ】等式の証明のときのように, 両辺に同じものを加え, その加えたものと, 大きい方の番目の数との大小を比較して番目の方が大きいので, その結果, 小さい方の数はやはり小さかったという結論に至る。
帰納法と不等式
のときの不等式で, 両辺に同じものを加えて, 大きい方の式を番目の式との大小比較を行う。