3次関数の接線と接点の関係について書いておきます。
3次関数のにおける接線は接点と接点以外の共有点を持つわけで, 2つのグラフの概形を描くと次のようになります。グラフ中のは変曲点の座標です。
念のため変曲点の座標の求めておくと,
として, を得る。
このとき, との交点を求める方程式をつくると,
となるが, この左辺の式は, 接線との交点の座標をとすると, 次のように因数分解できるはずである。
の左辺の式と, の左辺の式は恒等的な関係にあるので, 左辺どうし係数比較を行うことにする。
ここで, のの係数(下線部)に着目すると,
となり, 整理すると,
となる。これで接点の座標の関係性が分かった。この関係式は接線の直線の式の定数に関係ないこともわかる。
また, の式を, 変曲点との距離(軸と平行な距離)の考え方を用いて書き換えると,
と変形でき, これの意味するところは,
から変曲点までの水平距離は, と変曲点の水平距離の2倍であるということ。
これは, グラフの対称性や性質などから, 次のように表せる。
このように8個の合同な平行四辺形ができる。このような関係を知っておくと面積を求めるときの接点の座標の関係など便利なことが多い。
3次関数の接線と接点
3次関数のグラフ上の点における接線が, のグラフと再び交わる点をとすると,
の関係が成り立つ。
これは, 接点から変曲点までの水平方向の距離と変曲点から接線の交点までの水平距離の比がであることを意味している。