emath:高校数学:積分:放物線と円で囲まれた図形の面積

こんにちは。今回は頻出系の問題ということで, 放物線と円で囲まれた図形の面積を求めていきましょう。例題を見ながらいってみましょう。最後に関連記事に演習問題入れています。是非やってみてください。

放物線と円に囲まれた図形の面積

【例題】
(1) a>1のとき, 円x^2+(y-a)^2=1が放物線y=x^2と接するようなaの値を求めよ。
(2) (1)のとき, 下の図の円と放物線で囲まれた斜線部分の面積を求めよ。

解答例0

【解答例】
(1)

放物線と円の接点の座標の1つをP( t, t^2)\ t>0とおく。このときこの点における放物線の接線の傾きを求めると, y'=2xなので, 点Pにおける接線の傾きは2tとなる。
円の半径は接点を通る直線に接点で垂直に交わるので, 円の中心(0, a)と接点P(t, t^2)を結ぶ傾きは-\dfrac{1}{2t}となる。このことから
\dfrac{t^2-a}{t-0}=-\dfrac{1}{2t}
両辺にtをかけて,
t^2-a=-\dfrac12\cdots\maru1
また2点(0, a)とP(t, t^2)の距離は1であるから,
(t-0)^2+(t^2-a)^2=1\cdots\maru2
が成り立ち, \maru1\maru2に代入すると,
t^2+\left(-\dfrac12\right)^2=1
t^2=\dfrac34
t>0より,
t=\dfrac{\sqrt3}{2}
このとき,
\left(\dfrac{\sqrt3}{2}\right)^2-a=-\dfrac12
a=\dfrac54\cdots(答)
(2)

接点の座標の1つが\left(\dfrac{\sqrt3}{2}, \dfrac34\right)であることから, 色のついた三角形は, 1 : 2 : \sqrt3の直角三角形になるので, \theta=\dfrac{\pi}{3}となる。
求める面積は直線y=\dfrac34から放物線y=x^2を引いたものを0から\dfrac{\sqrt3}{2}で積分し, そこから半径1, 中心角\dfrac{\pi}{3}の扇形から色のついた直角三角形を引いたものを引いて2倍すればいい。
まとめると次のような式になる。
求める面積をSとすると,
\begin{array}{lll}S&=&2\left\{\displaystyle\int^{\frac{\sqrt3}{2}}_{0}\left(\dfrac34-x^2\right)\,dx-\left(\dfrac12\cdot1^2\cdot\dfrac{\pi}{3}-\dfrac12\cdot\dfrac{\sqrt3}{2}\cdot\dfrac12\right)\right\}\\&=& 2\left\{\displaystyle\int^{\frac{\sqrt3}{2}}_{0}\left(\dfrac34-x^2\right)\,dx-\left(\dfrac{\pi}{6}-\dfrac{\sqrt3}{8}\right)\right\}\\&=&2 \displaystyle\int^{\frac{\sqrt3}{2}}_{0}\left(\dfrac34-x^2\right)\,dx-2\left(\dfrac{\pi}{6}-\dfrac{\sqrt3}{8}\right) \\ &=&2\left[\dfrac34x-\dfrac13x^3\right]^{\frac{\sqrt3}{2}}_{0}-\dfrac{\pi}{3}+\dfrac{\sqrt3}{4}\\&=&2\cdot\dfrac{\sqrt3}{4} -\dfrac{\pi}{3}+\dfrac{\sqrt3}{4}\\&=&\dfrac{3\sqrt3}{4}-\dfrac{\pi}{3}\end{array}
よって求める面積は,
\dfrac{3\sqrt3}{4}-\dfrac{\pi}{3} \cdots(答)
※もちろん積分区間をはじめに-\dfrac{\sqrt3}{2}から\dfrac{\sqrt3}{2}として, 扇形の中心角を\dfrac23\piとして計算してもよい。

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