TikZ:高校数学:複素数・同一直線に並ぶ, 垂直に交わるときの性質

こんにちは。今回は複素数平面上で, 異なる3点が同一直線上に並ぶ場合と, 垂直に並ぶ場合ではどのような性質があるのか書いておきます。

3点が一直線上に並ぶとき

複素数平面上の3点\mathrm{A}(\alpha), \mathrm{B}(\beta), \mathrm{C}(\gamma)のつくる\kaku{BAC}の大きさを考えてみようと思います。同一直線上に並ぶ場合は, この\kaku{BAC}0\,(0\Deg)(\mathrm{C}\mathrm{A}から見て\mathrm{B}と同じ側にあるとき), または, \pi\,(180\Deg)(\mathrm{C}\mathrm{A}から見て\mathrm{B}と反対側にあるとき)になることが考えられます。

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このとき, \kaku{BAC}=\thetaを表す式は,
\theta=\mathrm{arg}\,\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}=0,\piなので,
\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}=r(\cos0+i\sin0)=r
\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}=r(\cos\pi+i\sin\pi)=-r
となりともに実数になります。
つまり, 3点が同一直線上にある場合, \dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}の値は実数になります。
※2直線のなす角についてはこちらの記事を参照ください。

2直線が垂直に交わるとき

垂直に交わる場合も, 複素数平面上の3点\mathrm{A}(\alpha), \mathrm{B}(\beta), \mathrm{C}(\gamma)のつくる\kaku{BAC}の大きさを考えてみようと思います。垂直に交わる場合は, この\kaku{BAC}\dfrac{\pi}{2}(90\Deg), または-\dfrac{\pi}{2}(-90\Deg)になることが考えられます。

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このとき, \kaku{BAC}=\thetaを表す式は,
\theta=\mathrm{arg}\,\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}=\dfrac{\pi}{2},-\dfrac{\pi}{2}なので,
\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}=r\left(\cos\dfrac{\pi}{2}+i\sin\dfrac{\pi}{2}\right)=ri
\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}=r\left\{\cos\left(-\dfrac{\pi}{2}\right)+i\sin\left(-\dfrac{\pi}{2}\right)\right\}=-ri
となりともに実数部のない純虚数になります。
つまり, 2直線が垂直に交わる場合, \dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}の値は純虚数になります。
※2直線のなす角についてはこちらの記事を参照ください。

問題

a, bは実数とする。複素数平面上の4点\mathrm{A}(a+i), \mathrm{B}(b-i), \mathrm{C}(-1+6i), \mathrm{D}(3-4i)について, 次の問いに答よ。
(1)\,\, 3点\mathrm{A}, \mathrm{C}, \mathrm{D}が一直線上にあるとき, aの値を求めよ。
(2)\,\, 2直線\mathrm{BC}, \mathrm{CD}が垂直に交わるとき, bの値を求めよ。

\alpha=a+i, \beta=b+2i, \gamma=-1+6i, \delta=3-4iとする。
(1)\,\, 3点\mathrm{A}, \mathrm{C}, \mathrm{D}が一直線上にあるとき,
\dfrac{\alpha-\delta}{\gamma-\delta}が実数なので,
\begin{array}{lll}\dfrac{\alpha-\delta}{\gamma-\delta}&=&\dfrac{(a+i)-(3-4i)}{(-1+6i)-(3-4i)}\\&=&\dfrac{(a-3)+5i}{-4+10i}\\&=&\dfrac{\{(a-3)+5i\}(-4-10i)}{(-4+10i)(-4-10i)}\\&=&\dfrac{(36-2a)+(5-5a)i}{58}\end{array}
虚数部は0になるので, 5-5a=0
よって, a=1
(2)\,\, 2直線\mathrm{BC}, \mathrm{CD}が垂直に交わるとき,
\dfrac{\beta-\gamma}{\delta-\gamma}が純虚数なので,
\begin{array}{lll}\dfrac{\beta-\gamma}{\delta-\gamma}&=&\dfrac{(b+2i)-(-1+6i)}{(3-4i)-(-1+6i)}\\&=&\dfrac{(b+1)-4i}{4-10i}\\&=&\dfrac{\{(b+1)-4i\}(4+10i)}{(4-10i)(4+10i)}\\&=&\dfrac{(22+2b)+(5b-3)i}{58}\end{array}
実数部は0になるので, 22+2b=0
よって, b=-11

TikZ:高校数学:複素数・2直線のなす角と求め方

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