高校数学:数III微分・対数微分法

こんにちは。今回は対数微分法について書いておきます。

対数微分法とは

対数微分法とは, 関数y=f(x)について, 両辺の絶対値の自然対数をとり, 両辺をxについて微分して導関数を求める方法。
以下にその手法を書くと,
y=f(x)として, 両辺の対数をとると,
\log y=\log f(x)
これをxについて微分すると,
\dfrac1y\cdot\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{f(x)'}{f(x)}
\cdot\dfrac{dy}{dx}=y\cdot\dfrac{f(x)'}{f(x)}
\dfrac{dy}{dx}=f(x)\cdot\dfrac{f'(x)}{f(x)}
よって,
\dfrac{dy}{dx}=f'(x)
となり,
y=f(x)の導関数が得られるという手法である。

複雑な積や商の微分に有効

複雑な関数の積や商の微分にも対数微分法は有効である。
y=\dfrac{f(x)}{g(x)}は, \log y=\log\dfrac{f(x)}{g(x)}=\log f(x)-\log g(x)として, 微分を行うとよい。
これをxについて微分すると,
\begin{array}{rll}\log y&=&\log f(x)-\log g(x)\\\dfrac{1}{y}\cdot\dfrac{dy}{dx}&=&\dfrac{f'(x)}{f(x)}-\dfrac{g'(x)}{g(x)}\\\dfrac{dy}{dx}&=&y\left\{\dfrac{f'(x)}{f(x)}-\dfrac{g'(x)}{g(x)}\right\}\\&=&\dfrac{f(x)}{g(x)}\left\{\dfrac{f'(x)}{f(x)}-\dfrac{g'(x)}{g(x)}\right\}\end{array}
これは, 以下のような関数の微分に有効である。

【例】関数y=\dfrac{(x+1)^2}{(x+2)^3(x+3)^4}を微分せよ。

【解答例】両辺の自然対数をとると,
\log y=2\log|x+1|-3\log|x+2|-4\log|x+3|
この両辺をxについて微分すると,
\begin{array}{rll}\dfrac{1}{y}\cdot\dfrac{dy}{dx}&=&\dfrac{2}{x+1}-\dfrac{3}{x+2}-\dfrac{4}{x+3}\\&=&\dfrac{2(x+2)(x+3)-3(x+1)(x+3)-4(x+1)(x+2)}{(x+1)(x+2)(x+3)}\\&=&\dfrac{-5x^2-14x-5}{(x+1)(x+2)(x+3)}\\\dfrac{dy}{dx}&=&y\left\{\dfrac{-5x^2-14x-5}{(x+1)(x+2)(x+3)}\right\}\\&=&\dfrac{(x+1)^2}{(x+2)^3(x+3)^4}\cdot\dfrac{-5x^2-14x-5}{(x+1)(x+2)(x+3)}\\&=&-\dfrac{(x+1)(5x^2+14x+5)}{(x+2)^4(x+3)^5}\end{array}
よって,
y'=-\dfrac{(x+1)(5x^2+14x+5)}{(x+2)^4(x+3)^5}

【例】関数y=\dfrac{x}{\sqrt[3]{(x^2+2)^2}}を微分せよ。

【解答例】両辺の自然対数をとると,
\log y=\log|x|-\dfrac23\log (x^2+2)
この両辺をxについて微分すると,
\begin{array}{rll}\dfrac{1}{y}\cdot\dfrac{dy}{dx}&=&\dfrac{1}{x}-\dfrac23\cdot\dfrac{2x}{x^2+2}\\&=&\dfrac{3(x^2+2)-4x^2}{3x(x^2+2)}\\\dfrac{dy}{dx}&=&y\left\{\dfrac{6-x^2}{3x(x^2+2)}\right\}\\&=&\dfrac{x}{\sqrt[3]{(x^2+2)^2}}\cdot\dfrac{6-x^2}{3x(x^2+2)}\\&=&\dfrac{6-x^2}{3(x^2+2)\sqrt[3]{(x^2+2)^2}}\end{array}
よって,
y'=\dfrac{6-x^2}{3(x^2+2)\sqrt[3]{(x^2+2)^2}}

累乗の指数部が関数になっている場合

y=x^{f(x)}を対数微分法で微分してみる。
\log y=f(x)\log xとして, 両辺xについて微分すると,
\begin{array}{rll}\dfrac{1}{y}\cdot\dfrac{dy}{dx}&=&f'(x)\cdot\log x+f(x)\cdot\left(\log x\right)'\\\dfrac{dy}{dx}&=&y\left\{f'(x)\cdot\log x+f(x)\cdot\dfrac{1}{x}\right\}\\&=&x^{f(x)}\left\{f'(x)\log x+\dfrac{f(x)}{x}\right\}\end{array}
これは, 以下のような関数の微分に有効である。

【例】関数y=x^{\sin x}\, (x>0)を微分せよ。

【解答例】x>0より, x^{\sin x}>0
両辺の自然対数をとって, \log y=(\sin x)\log x
この両辺をxについて微分し,
\begin{array}{rll}\dfrac{1}{y}\cdot\dfrac{dy}{dx}&=&(\cos x)\log x+\sin x\cdot\dfrac{1}{x}\\\dfrac{dy}{dx}&=&y\left\{(\cos x)\log x+\dfrac{\sin x}{x}\right\}\\&=&x^{\sin x}\left\{(\cos x)\log x+\dfrac{\sin x}{x}\right\}\end{array}
よって,
y'=x^{\sin x}\left\{(\cos x)\log x+\dfrac{\sin x}{x}\right\}

【例】関数y=\left(\log x\right)^x\, (x>1)を微分せよ。

【解答例】x>1より, \log x>0
両辺の自然対数をとって, \log y=x \log\left(\log x\right)
この両辺をxについて微分し,
\begin{array}{rll}\dfrac{1}{y}\cdot\dfrac{dy}{dx}&=&\log\left(\log x\right)+x\cdot\dfrac{1}{\log x}\cdot\left(\log x\right)'\\\dfrac{dy}{dx}&=&y\left\{\log\left(\log x\right)+\dfrac{1}{\log x}\right\}\\&=&\left(\log x\right)^x\left\{\log\left(\log x\right)+\dfrac{1}{\log x}\right\}\end{array}
よって,
y'=\left(\log x\right)^x\left\{\log\left(\log x\right)+\dfrac{1}{\log x}\right\}

通常の関数にも対数微分法は使えるのか

最初に示したようにできると思うが, やってみる。
【例】関数y=x^3\,\,(x>0)を微分せよ。
両辺の自然対数をとって, \log y=3\log x
この両辺をxについて微分すると,
\begin{array}{rll}\dfrac1y\cdot\dfrac{dy}{dx}&=&3\cdot\dfrac{1}{x}\\\dfrac{dy}{dx}&=&y\cdot\dfrac{3}{x}\\&=&x^3\cdot\dfrac{3}{x}\\&=&3x^2\end{array}
よって,
y'=3x^2
どうやら出来そうである。
ただ, 和の形の式には対数はとれないので, 注意は必要である。

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