高校数学:剰余の定理と整式の余りの問題の解法②

こんにちは。剰余の定理と整式の定数決定問題①のところで触れた問題とはまた別のパターンの問題をやってみようと思う。それでは早速やってみよう。

例題

【例題】整式P(x)x-1で割ったときの余りが5, (x+1)^2で割ったときの余りがx-4であるとき, 整式P(x)(x-1)(x+1)^2で割ったときの余りを求めよ。

【出題の狙い】
この問題の余りは, 割る式の(x-1)(x+1)^2\, (3次式)より, 次数が1つ低いので, 2次式ax^2+bx+cが余りの式となる。
つまり, 求める定数は, a, b, cの3つあるのだが, 割る式は, x-1(x+1)^2の2つしかなく, a, b, cに関する式は2つしか作れないように見える。それを打破するのが, この問題の狙いである。
【解法の着眼】
15を6で割った余りを求めるのに, 15=6\cdot1+9として, 9を6で割った余りと, 15を6で割った余りが等しくなるという関係に着眼する。つまり, ABで割ったときの商をQとし, そのときの残りの数R\ (R>B)とすると,
A=QB+R (R>B)のとき, 本当の余りrは, R=qB+r (B>r)となることに注目。
【解法】
問題より, P(x)x-1で割ったときの商をQ(x), (x+1)^2で割ったときの商をR(x), (x-1)(x+1)^2で割ったときの商をS(x)とすると,
P(x)=(x-1)Q(x)+5\cdots\maru1,
P(x)=(x+1)^2R(x)+x-4\cdots\maru2
P(x)=(x-1)(x+1)^2S(x)+ax^2+bx+c\, (\ a, b, cは定数)\cdots\maru3
とおける。
\maru1より, P(1)=5なので, \maru3x=1とすると,
P(1)=a+b+c=5となる。
a+b+c=5\cdots\maru4
次にP(-1)とすると手詰まりするので, そういくのではなく,
\maru3(x+1)^2で割ることを考える。すると, ax^2+bx+c(x+1)^2でまだ割れて, そのときの余りがx-4になることに着眼すると, \maru3は以下のように書き換えることができる。
P(x)=(x-1)(x+1)^2S(x)+a(x+1)^2+x-4\cdots\maru5
\maru5の余りの部分を展開すると,
ax^2+(2a+1)x+a-4となり, これは\maru3の余りの部分と等しいので,
ax^2+bx+cと係数比較すると,
b=2a+1\cdots\maru6, c=a-4\cdots\maru7となる。この2式を\maru4に代入すると,
a+(2a+1)+(a-4)=5
a=2となり, \maru6, \maru7から, b=5,\ c=-2が得られ,
求める余りは,
2x^2+5x-2
となる。
こんな感じで解法していくといいでしょう。
それでは。

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