こんにちは。数IIIの逆関数の話です。それではどうぞ。
関数とその逆関数を
とおくことにします。
また, は
としたものであるから,
と
は同じ式と言えます。そこで
上の点を
とおくと,
であり, 同時に,
であります。
と
を比べると,
となり, 点
は関数
上の点であることがわかります。
このことから, 関数とその逆関数
は
について対称であると言える。
2点が
について対称であることの証明をしておきます。
2点P, Qの傾きは,
2点P, Qの対称の軸の直線は, この傾きに垂直なので, 対象の軸の直線は傾き1である。
また, この傾き1の直線は2点P, Qの中点を通る。
したがって, その直線の式は,
ゆえに, 2点P, Qはについて対称である。
逆関数と元の関数の交点は上にあるのですか?と聞かれることがたまにあります。結論を言うと, 一部の関数を除いて, グラフの交点は
上に集まります。以下に反例を示すと,
例えば, の逆関数は
であるため交点は
を満たす, すべての座標になり, 交点は
上にありません。このようにすべての関数で成り立つわけではありませんが, ほとんどの場合で言えます。
【使用例】関数の逆関数
を求め,
と
の交点を求めよ。
【解答例】とおく,
よって逆関数は
通常は以下の解法でいくと思います。
それは, とおいて解いていく方法です。一旦それで交点を求めてみます。
両辺2乗して4倍すると, は実数解をもたない。
よって,
これから, 交点は
次に, と
の交点で求めてみます。
として,
よって求める交点は,
こうやって求めることも可能です。
ただし, 一部関数では交点が上にないものもあるので, その辺はグラフの概形とかで, 確認しておいた方がいいと思います。