こんにちは。知っておくと便利な合同式。その性質と証明と使い方を書いておきます。早速やっていきましょう。
ある整数を整数を割ったときの余りが等しいとき, とはを法として合同(で割った余りが等しい)と言います。
例えば, 14と8を6で割ったときの余りはともに2ですから, 14と8は6を法として合同(6で割った余りが等しい)と言います。
これを数学の記号では,
読み方は
「14合同8モッド6」と読みます。
と書きます。
~とは~で割った余りということです。
他に7と10は3で割ると余りがともに1なので, となります。
, ならば,
和
差
積
商 とは互いに素ならば,
累乗 は自然数
が言えます。
以下を法として話を進めていきます。特に断りのない場合はすべてです。
また, なので,
, とし,
なので,
, とする。
ただし, は整数とする。
の証明
以上より, で割った余りが等しいので,
の証明
以上より, で割った余りが等しいので,
の証明
以上より, で割った余りが等しいので,
とは互いに素ならば, の証明
なので,
より,
はの倍数。
また, とは互いに素なので,
がの倍数である。
よって,
つまり,
互いに素でなければ,
例えば, の辺々を2で割ると, となり合同が成り立ちません。
互いに素であるなら,
例えば, の辺々を2で割っても, となり合同が成り立ちます。
の証明
二項定理を用いて展開していきます。
以上より, で割った余りが等しいので,
【例】は6で割って4余る整数です。このとき, を6で割った余りを求めなさい。
合同式を用いない場合は, とおいて代入していって計算していくのがお決まりである。
今回はそうではなく, 余りに着目して解くとどうなるかということである。
を6で割った余りが4なので
合同式は累乗できるので, の辺々2乗して
合同式は掛け算できるので, の辺々5倍(を掛ける)して,
とすると,
したがって, 求める余りは3
【例】を13で割った余りを求めよ。
でこのとき, 13で割ると余りがになります。これを使うと次のようになります。
求めるのは100乗なので, 辺々33乗して4をかけると,
よって, 求める余りは9
※余りということは, 余り9と合同