中学数学:研究:変化の割合についての考察

こんにちは。今回は変化の割合について考察してみようと思います。

一次関数の変化の割合


変化の割合は2点間の傾きを表す。この割合がどこをとっても一定の場合, グラフは直線を描く。
一次関数y=ax+b(a\neq0,b=定数)とし, xの変域をp\leqq x\leqq q(p\neq q)として, 変化の割合が一定であることを示す。
x=pのとき, y=ap+b\to \text{P}(p,ap+b)
x=qのとき, y=aq+b\to \text{Q}(q,aq+b)
この2点\text{P, Q}の傾きは, を使って, 次のようになる。
\dfrac{(aq+b)-(ap+b)}{q-p}=\dfrac{a\cancel{(q-p)}}{\cancel{(q-p)}}=a\cdots\maru{1}
\maru{1}xの変域p, qに関係なく一定でその値はaになる。従って一次関数y=ax+bは直線になる。

y=ax²の変化の割合

二次関数の変化の割合を次の調べてみる。
二次関数をy=ax^2(a\neq 0)として, 先と同様, xの変域をp\leqq x\leqq q(p\neq q)とする。
x=pのとき, y=ap^2\to \text{P}(p, ap^2)
x=qのとき, y=aq^2\to \text{Q}(q, aq^2)
この2点間の傾きは, 先と同様にすると,
\begin{array}{lll}\dfrac{aq^2-ap^2}{q-p}&=&\dfrac{a(q^2-p^2)}{q-p}\\&=&\dfrac{a(q+p)\cancel{(q-p)}}{\cancel{q-p}}\\&=&a(q+p)\cdots\maru{2}\end{array}
\maru{2}xの変域の値p, qによって変わる値で, 常に一定ではない。常に一定でないということは, グラフは曲線を描く, これが放物線になるのである。図1に関数y=x^2で, x-3\leqq x\leqq 3の整数をとって直線で結んでみた。また(1, 1), (-2, 4)の傾き, (0, 0), (3, 9)の傾きを線分で表してみた。

反比例の変化の割合

最後に変化の割合をy=\dfrac{a}{x}(a\neq 0,x>0)で調べてみる。xの変域は同じくp\leqq x\leqq q(p\neq q)とする。
x=pのとき, y=\dfrac{a}{p}\to \text{P}\left(p,\dfrac{a}{p}\right)
x=qのとき, y=\dfrac{a}{q}\to \text{Q}\left(q,\dfrac{a}{q}\right)
同様にして,
\begin{array}{lll}\dfrac{\dfrac{a}{q}-\dfrac{a}{p}}{q-p}&=&\dfrac{\dfrac{ap-aq}{pq}}{q-p}\\&=&\dfrac{ap-aq}{pq(q-p)}\\&=&-\dfrac{a\cancel{(q-p)}}{pq\cancel{(q-p)}}\\&=&-\dfrac{a}{pq}\end{array}
これも二次関数同様, xの変域の値p, qによって変わる値で, 常に一定でない。このことは反比例の式もまた曲線を描くことを意味する。これが双曲線といわれる曲線である。
図2に反比例y=\dfrac{12}{x}の正の部分をx, yともに自然数の座標をとってそれを直線で結んでみた。また, (1, 12), (3, 4)の傾き, (2, 6), (12, 1)の傾きを線分で表してみた。

変化の割合は2点間の傾き

変化の割合って傾きを表すんですよ。だから, これまでで言うと, 2点P, Qを結んだ直線の傾きを表す。これを知っておくと便利ですが, 知らなくても大丈夫なように問題ができていることが多いので, まぁ余力のある人は知識として覚えておくといいでしょう。

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