高校数学:楕円の接線が直交するときの軌跡

こんにちは。今回は定点Pから楕円への2本の接線が直交するようなとき, 定点Pの軌跡を求めてみようと思います。以下の問題が出題されるときはa, bの値が数値化されていることが多いです。今回は一般化ということで, a, bはそのままでやってみます。最後の関連記事も参考に。

楕円への2接線が直交するような点Pの軌跡

楕円の方程式\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1\cdots\maru1定点P(s, t)とする。
s=aのとき, 接線の1つは, x=aであり, このとき, 点Pは(a, b), または(a, -b)である。同様に, s=-aのとき, 点Pは(-a, b), (-a, -b)である。したがって, s\neq \pm aとすると,
点Pを通る接線の方程式はy=m(x-s)+tと表される。
これを\maru1に代入すると,
\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{\left\{m(x-s)+t\right\}^2}{b^2}=1
両辺a^2b^2かけて展開すると,
b^2x^2+a^2m^2(x-s)^2+2a^2mt(x-s)+a^2t^2=a^2b^2
(b^2+a^2m^2)x^2+(-2a^2m^2s+2a^2mt)x+a^2m^2s^2-2a^2mst+a^2t^2-a^2b^2=0
これが重解を持てばいいので, 判別式D/4=0を用いると,
(-a^2m^2s+a^2mt)^2-(b^2+a^2m^2)(a^2m^2s^2-2a^2mst+a^2t^2-a^2b^2)=0
展開して, 接線の傾きmについて整理すると
a^2b^2(s^2-a^2)m^2-2a^2b^2stm+a^2b^2(t^2-b^2)=0
a^2b^2\neq0なので, a^2b^2で割って,
(s^2-a^2)m^2-2stm+(t^2-b^2)=0
となる。2本の接線の傾きをm_1, m_2とすると, 直交条件より, m_1\cdot m_2=-1で, m_1, m_2はこの方程式の2つの解である。したがって, 解と係数の関係より,
m_1\cdot m_2=\dfrac{t^2-b^2}{s^2-a^2}=-1
が成り立つので,
t^2-b^2=-(s^2-a^2)
s^2+t^2=a^2+b^2
よって, x^2+y^2=a^2+b^2となり,
これは, (s, t)=(a, b), (a, -b), (-a, b), (-a, -b)を満たす。
したがって, 点Pが描く軌跡は, 中心が原点で半径\sqrt{a^2+b^2}の円である。

2接線が直交するとき
点Pから楕円\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1への2本の接線が直交するとき,
点Pが描く軌跡は, 中心が原点で半径\sqrt{a^2+b^2}の円である。

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