高校数学:点(b, a)からの楕円の2接線は直交する

こんにちは。今回はよく出題される問題を一般化してみました。楕円\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1の接線で, 点(b, a)からの2つの接線が直交するというのを証明しようと思います。一般的にはa, bの値は数値化されて出題されることが多い問題です。それではいきましょう。最後の関連記事も参考に。

例題

【例題】楕円\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1の接線で, 点(b, a)を通る2つの接線は直交することを示せ。

解答例

【解法】点(b, a)を通る接線はx軸に垂直ではないので, 接線の式をy=m(x-b)+aとおける。
これを楕円の式に代入すると,
\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{\left\{m(x-b)+a\right\}^2}{b^2}=1
両辺a^2b^2倍して, 展開すると,
b^2x^2+a^2m^2(x-b)^2+2a^3m(x-b)+a^4=a^2b^2
さらに展開して, xについて整理すると,
(a^2m2+b^2)x^2+(-2a^2bm^2+2a^3m)x+a^2b^2m^2-2a^3bm+a^4-a^2b^2=0
これが重解をもつことから, 判別式D/4=0を用いると,
(-a^2bm^2+a^3m)^2-(b^2+a^2m^2)(a^2b^2m^2-2a^3bm+a^4-a^2b^2)=0
これを傾きmについて整理すると,
a^2b^2\left\{(b^2-a^2)m^2-2abm+(a^2-b^2)\right\}=0
a^2b^2\neq0なので,
(b^2-a^2)m^2-2abm+(a^2-b^2)=0
接線の傾きはこのmの2次方程式の2つの解なので, その解をm_1, m_2とすると, 解と係数の関係により,
m_1\cdot m_2=\dfrac{a^2-b^2}{b^2-a^2}\dfrac{-(b^2-a^2)}{b^2-a^2}=-1
よって, 点(b, a)から楕円に引いた2つの接線は直交する。

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